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2024/9/20~22 秋の大収穫祭 (於:上野グリーンクラブ)

ザゼンソウの育て方

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販売されているザゼンソウはポットの都合で野生のものより下部が露出していることが多い。

販売されているザゼンソウはポットの都合で野生のものより下部が露出していることが多い。


ザゼンソウは各地の山間部や湿地に自生するサトイモ科の多年草です。ミズバショウと並んでその独特な風貌で注目を集め、山野草としても流通しています。

ただし、育てるとなると難しい植物です。その理由は、ザゼンソウは深く根をはる植物で、流通しているものの多くは根を切り詰めた観賞用の苗だからです。

観賞用と割り切って、花が終わった後は捨てましょう。

…というのもつまらないので、なんとか苗を維持する方法をお伝えしたいと思います。

置き場所

春は良く日があたり、6月以降は半日陰になる場所が最適です。ポット苗の新葉は傷みやすいので、最初から半日陰の場所のほうが安全かもしれません。

用土、ポットサイズ

ミズバショウほど水気の多い場所にあるわけではないようです。基本的な栽培用土で問題ありません。ただし根が良く伸び、切り詰めた状態でもかなりのボリュームがあります。ぐらつかないようある程度の大きさのあるポットに入れたほうが安定します。具体的には、15cmポットかそれ以上の大きさの鉢にいれます。

水やり

葉が大きいので水切れに注意します。水は好きですが腰水にする必要はありません。腰水にする場合は、水温が高くなりすぎないように気をつけてください。

ポイント

なんといっても、栽培のポイントは新しい根を発根させることです。

通常、流通している苗は根が切り詰めてあり、その状態では十分な水あげができません。そのため葉も展開できず、新根が伸びる前に枯れてしまいます。

まず、花が終わりかけたら、人の手で葉の展開を助けてやりましょう。これが大切なところです。

おそらく、多くのザゼンソウは自力では葉をすべて展開することができません。ザゼンソウの葉は主脈を中心にくるくると巻きつくようにたたまれています。これを少し開いて、少しでも展開しやすいようにしてやります。植物体の周りに白い皮がついている場合、これが邪魔して花(仏炎苞)や葉が開かないこともあるので、この皮も取り除きましょう。

あまり無理に開こうとすると葉が破れてしまうので、外側を軽く開く程度にし、あとは様子を見て徐々に葉の展開を促すようにします。

葉が展開すれば、あとは植物自体が成長して発根し始めるはずです。その後は半日陰で、水を切らさず管理します。

肥料

発根が確認できるまでは肥料のやりすぎは土の劣化を招くので控えます。それよりもメネデールなどの活力剤を与えるほうが効果的かもしれません。

植え替え

夏前に確認し、新しい白い細い根が伸びていれば成功です。中心部に来年用の新芽ができるはずです。

ザゼンソウの芽

生き延びたザゼンソウにできた新しい芽です。脇芽がついていることもあります。

これを秋に植え替えることで、新しい小さな苗が出来上がります。

こうしてできた苗は、おそらく購入時よりもずっと小さくなっているはずです。ここから花を咲かせるのにはおそらく2年程度かかりますが、一度ポットで発根させたものは比較的生育が容易です。

このように、一般には栽培が難しい根を切ったザゼンソウでも維持することは不可能ではありません。ぜひ挑戦してみてください。

実生

実生苗の場合も普通に栽培することができます。ただしザゼンソウ自体がやや暑さに弱く、また根、葉ともに大きくなるのでそこに注意して育てる必要があります。

自分で種を取るのも面白いかもしれません。ザゼンソウはキキョウと同じく、花粉の出るタイミングとメシベに稔性のあるタイミングがずれるので、一株ではほとんど結実しません。二株以上で他家受粉させるようにします。