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ヤマシャクヤクの育て方

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ヤマシャクヤクの開きかけの蕾。

ヤマシャクヤクの開きかけの蕾。


山野草のなかでも有名で、白い大輪の花が美しいヤマシャクヤク。比較的おおきくなる存在感のある山野草で、育てがいがあります。またお茶花にもよく使われ、とても人気のある山野草です。

ただし、いつのまにか芽が出てこなくなったとか、ちっとも花が咲かないという声もよく聞きます。

ここでは、春に販売されるヤマシャクヤクのポット苗の育て方のポイントを考えてみたいともいます。

まず、一般に販売されているヤマシャクヤクの状態について。

通常、3月ごろにポットに植えられたヤマシャクヤクを買うことが多いと思います。これは、ヤマシャクヤクの花芽の部分を根茎ごと切り取ってポットにいれたもので、いわゆる素堀苗と呼ばれるものがほとんどです。

山や畑で成長した芽を植えてあるので花は咲きますが、芽の大きさ重視で植え込んであるため必ずしも根がしっかりしているとは限りません。むしろ、芽の大きさに対して小さめのポットに植えるため根茎をかなり切り詰めていることのほうが多いと思います。

そのため、ヤマシャクヤクについては、たとえその年には花が咲いても、成株ではなく苗から育てるつもりで管理しましょう。

春に苗を選ぶときは、もちろん花を楽しむためになるべく芽の大きなものが望ましいですが、それだけでなくポットを持ったときにふにゃふにゃしていない、なるべく大きな根茎のはいったものを選びましょう。

細く白いひげ根がたくさんでているのが望ましいですが、そこまではなかなかチェックできないと思うのでとりあえず芽がぐらつかない、しっかりした苗を選ぶようにします。2芽付きのものがあれば、そっちのほうがいいでしょう。

なお芽の状態については、真ん中がすこしふっくらしているものが花芽です。円錐状にとんがっているものは葉芽が多いので、なるべくぷっくりした大きい芽を選びます。

暖かくなると芽が割れて蕾が確認できるものもあります。そういうものなら問題ありません。ただし、小さな蕾は開かないまま咲かずに終わってしまいます。直径5mm以下の蕾は咲かないことが多いです。

購入~花まで

花が咲くのは4月ごろです。花が咲くまでは水を切らさないように注意します。それから、その頃は温度や気候が安定しないことが多く、急に寒くなったり、季節外れの雪がふったりすることがあります。

これはヤマシャクヤクに限りませんが、暖かくなって伸びていた花芽が急な低温で痛むことがありますので、危険を感じたら玄関に取り込んだりして保護しましょう。外においている場合、不織布1枚かけるだけで低温被害はかなり防げます。

春の管理

ヤマシャクヤクは根茎が大きく成長する植物です。それに比例して芽も大きくなり、それだけ成長するためにはそれなりの肥料が欠かせません。

まず花がおわったら、花を摘んでしまいましょう。種をつけるのは相当植物に負担が大きく、弱ります。ポット苗のヤマシャクヤクでは受粉しても結局種がつかないこともありますので、最初から花をとってしまい、なるべく株の力を温存するようにします。

肥料は春に2回やるのがよいと言われています。毎月やる、という人もいますが、やりすぎもよくありません。4月と6月、または3月と5月など、年の前半に2回やる程度がいいと思います。

秋に掘り上げたものを植えたばかりだと、翌春もまだ十分に発根していないことがあります。そういうときは多肥がかえって害になることもあるので、極力やりすぎは避けます。またメネデールなどの発根促進剤を使うのもいいと思います。

夏から秋の管理

7月のヤマシャクヤク。明るい半日陰に置いた状態。7月20日ごろ。

7月のヤマシャクヤク。明るい半日陰に置いた状態。7月20日ごろ。

ヤマシャクヤクは基本的に半日陰で育てます。直射日光がつよいと、早めに葉焼けして枝が倒れてしまいます。そうすると、光合成する時間が短くなり、成長期間が短くなります。

それで株ごと枯れてしまう、ということはほとんどありませんが、できればなるべく葉を長く保たせて、できるだけ成長を促したいところです。

また、雨ざらしを避けるのもポイントです。基本的な水やりは、乾いたらたっぷりやるという基本通りです。水やりは鉢の大きさなどとも関係があるので一概にはいえませんが、どうも水のやりすぎは苦手なようです。

中越植物園ではヤマシャクヤクは比較的小さめの鉢で育てることがおおいです。その理由として、大きい鉢で水をたっぷりやると、水持ちが良すぎて根腐れを起こしやすくなるからです。小さめの鉢でやや乾燥気味に育てたほうが、根の張りも生育もいいようです。

この辺は水加減との関係でだいぶ変わるので一概には言えません。ヤマシャクヤクも大きくなるので、大株になると6号くらいの鉢にいれるのが当たり前になります。その場合も、当然ですが水はけの良い土に植え、土が乾いたらたっぷり水をやるという基本を守るように水やりをします。停水や常に土が濡れている状態は好まないようです。

雨ざらしにすると、季節によっては水が多くなりすぎます。さらに日差しが強い時期が続くと、それで根が傷んだり枝が倒れてしまうことがよくあります。7月ごろに葉が傷んできたり枝が倒れるのは、多分余計な水が高温になったりするせいではないでしょうか。

半日陰で水を控えめにしていると、そういうことはありません。ただ水切れには注意して、葉がくったりしてきたら忘れずに水をやります。

秋から冬の管理

ヤマシャクヤクの芽が太るのは秋です。そして、新しい根も夏過ぎに発根を始めます。なので、ヤマシャクヤクの植え替えは9月ごろにやるのがもっとも効果的です。

すこし早く感じますが、10月以降だと発根が始まっていて新しい根を傷めやすくなるので、早いほうがいいようです。とくに、まだ小さな株を植え替える場合は、早めに植え替えて植え替えと同時に肥料をやれば、秋の芽の成長も促進されます。

春に購入した苗は、夏を過ぎて新しい芽ができていればひとまずは問題ないと言えます。その芽がなるべく大きく育つよう、植え替えて秋の肥料をやります。

植え替えをしなくても問題ありませんが、土が浅くなって芽の付け根あたりが露出している場合は土を足して根茎が完全に隠れるようにします。

あとは春になって芽が伸びてくるのを待つだけです。

植え替え、株分

植え替えは9月ごろが適期と書きましたが、それ以外の時期でも可能です。ただし、株分をする場合は花時期は避けたほうがいいと思います。根茎の形によっては株分が難しいこともあり、無理に分けると根がつかなかったりします。休眠期なら芽がついていればとりあえずは大丈夫だと思いますが、開花中、あるいは生育中に根を失った場合、そのまま枯れてしまうかもしれません。

株分する場合はハサミやカッターで根茎を切りますが、けっこう割れてしまうことがあるので慎重にやります。不安な場合はあまり小さな芽を分けるのはやめておきます。また切り口は殺菌剤で消毒します。

株分についても9月で問題ありませんが、花芽を分割したい場合、もっと遅い時期に十分に膨らんだ花芽を確認してから割ることもできます。その場合はなるべく新しい根を傷めないように気をつけます。

庭植え、地植えにする場合

ヤマシャクヤクを庭に植えたい、という人も大勢います。実際に植えた方もたくさんいると思います。

でも、植えてから数年で出てこなくなった、消えてしまったという声をよく聞きます。

そういう場合、どのようにすれば庭でヤマシャクヤクが育つのでしょうか。

庭植えの場合、水はけのいい土質であれば、勝手によく育つこともありますが、場所が悪いとどうにもならない事が多く、そのために同じ庭でもどこに植えるかによって結果が変わることがよくあります。

基本的には、鉢植えと同じポイントを守ればいいのだと思います。まず、肥料をやること。それから排水のしっかりした場所に植えること。

もっとも問題なのが、平地に植えて水が溜まってしまうことです。そういう場所では、最初の数年は株の力で生きながらえていても、新しい根が思うように伸びずにやがて衰弱してしまいます。

それを避けるために、なるべく水はけの良い場所に植えるようにします。理想的には斜面ですが、それが無理なら土を盛って、周りを石で塞ぐなどしてなるべく水がたまらないようにします。

それから、庭植えの場合でも肥料をやりましょう。やはり鉢植えと同じく、春と秋にやるといいと思います。庭植えの場合、たとえばグリーンキングなどの有機系の小粒の肥料を株元にばらまくようにするのが楽です。化成肥料の場合土が痩せることがあります。

斑入ヤマシャクヤク

ヤマシャクヤクには様々な斑入個体が見つかっており、その大きさ、大胆な斑の入り方から斑入り植物としてもダントツの人気があります。

大きなものはかなり効果ですが、実生で生まれた小型の苗も最近は流通しており、それらは「比較的」安価に手に入ることがあります。

斑入のヤマシャクヤクも、育て方は通常のものと変わりません。

ただし、斑がはっきりしていればいるほど葉緑素が少なく、生育が遅いことが予想されます。大きなものでも、普通の品種よりは生育が遅れますのでじっくり育てるようにしましょう。

また実生苗を選ぶ場合は注意が必要です。葉っぱ3枚程度の苗の段階であまり斑が派手なものは、その後の生育に極端な時間がかかるか、あるいは途中で絶えてしまうことがあります。

どのみち、斑は生育するに従い若干変わります。良くもなりますし、少し地味になることもありますが、育てているうちにそれはわかってきます。しかし最初から派手すぎるものは、そこまで結果を見るのに時間がかかりすぎます。小さな斑入苗を買う場合は、ほどほどに斑の入ったものを選んだほうが無難だと思います。

きれいに斑が入っている実生苗。

きれいに斑が入っている実生苗。

斑の種類、銘によっても違うのですが、あまりに派手すぎるものは弱すぎる恐れがあります。

斑の種類、銘によっても違うのですが、あまりに派手すぎるものは弱すぎる恐れがあります。写真のものは後暗みで意外と作れるタイプです。