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洋種カタクリの育て方。パゴダ、トルムネンセ、ホワイトビューティーなど。

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黄花カタクリ パゴタ

黄花カタクリ パゴタ

概説

カタクリは日本の春を彩る代表的なスプリング・エフェメラルです。名前も有名で、日本各地の野山に自生しおなじみの山野草のひとつです。そんなカタクリですが、実はカタクリの仲間は日本だけでなく世界に分布しており、様々なタイプのものが知られています。そのうちのいくつかは日本でも山野草として流通し、入手しやすくなっています。

たとえば洋種のなかでも一般的に流通しているのは黄花のカタクリなどです。

ここではその、北米に自生するキバナカタクリの育て方を説明します。なおここではパゴダの育て方を説明しますが、これはトルムネンセ、ホワイトビューティという品種にも共通しますし、日本のカタクリとも基本的には一緒です。カタクリ全般の栽培に参考になるのではと思います。

基本

キバナカタクリにも何種類かありますが、もっとも一般的に流通しているのが「パゴダ」と呼ばれている品種です。北米産のキバナカタクリの園芸種で、ウィキペディアによるとトルムネンセとホワイトビューティーの交配種らしいとされています。日本でとくに品種名なく黄花カタクリで販売されているものは、おそらくほとんどがこのパゴダだと思います。

そして、日本のカタクリに比べると強健で作りやすいものが多い印象です。

置き場所

カタクリの置き場所は日向~半日陰が適しています。自生地を見るとわかりますが、木漏日がふりそそぐような林床に多く生えています。春の芽出しの頃は直射日光でも耐えますが、その後日差しが強すぎるとすぐに葉やけしてしまいます。

もともと、5月ごろには地上部がなくなるスプリング・エフェメラルですが、なるべく葉を長持ちさせたほうが生育がいいでしょう。

また落葉後はあまり高温になると球根が痛むので、温度上昇を避けるために日陰に置きます。

用土

土は水はけの良いものがいいですが、乾燥しすぎるのもよくありません。鹿沼土に赤玉土2、3割くらいの土で問題なく育ちますが、場所によっては腐葉土を混ぜてもいいかもしれません。粘土質や泥のようなものはだめです。

トルムネンセという品種。パゴタよりも鮮やかな黄色。パゴタより少し弱い印象。

トルムネンセという品種。パゴタよりも鮮やかな黄色。パゴタより少し弱い印象。

肥料

日本のカタクリに比べると多花性で、球根も大きくなります。肥料をしっかりやればポット栽培でも数年続けて開花します。

肥料が足りないと毎年葉が出てくるだけで、なかなか花が咲きまません。葉の展開している時期は5月くらいまでなので、それまでにしっかり肥培しましょう。おそいと効果が薄れます。カタクリは落葉後休眠しますが、根が動き始めるのは早く8月末か9月ごろには発根します。

水やり

カタクリの球根は真夏でも乾燥は苦手です。外皮につつまれて休眠するチューリップなどの球根と違い、乾燥するとしなびて崩壊してしまいます。5月くらいから地上部が枯れて上がなくなりますが、その後も断水せず、乾いたら水をやるようにします。かといって水びたしだと暑さなどで腐ってしまうので、普通に水やりをしていれば大丈夫です。

季節ごとの管理

春は花が咲いてくる時期ですが、この時期いがいに地上部に顔を出すことはありません。一番忙しい時期です。まず、水を切らさないように。それから肥料をやること。水を切らさずに管理すれば、春にいためてしまうことは殆どありません。

日差しの強い場所だと4月頃から早めに葉が枯れはじめますが、水切れなどなければだいたい5月ごろまで葉は残っていると思います。とりあえず少し早めに肥培して、この時期にしっかり成長する下地を作ります。

葉が早めに枯れても特に問題はありませんが、半日陰で丁寧に管理すると5月以降も葉が残ります。種をつけたりしたい場合、そのように管理するといいかもしれません。ただこの品種が結実するかどうかは不明です。

夏~冬

夏から冬は休眠中なので、基本的に乾燥させすぎず、多湿すぎずという管理をすれば問題ありません。普通の水やりです。ただし直射日光が当たる場所だと暑さで球根が痛むことがあるので、半日陰や風通しのいい場所が適していると思います。

夏以降は発根を始めます。この時期から液肥をやる人もいますが、地上部がないので効果があるのかどうか…しかし害はないので、やってみると花芽形成に有効かもしれません。とくに早い時期には効果がありそうです。

植え替え

植え替えはだいたい夏頃やります。6~9月ごろが多いです。それ以降は発根しているので、早めのほうがいいようです。畑で生産していることがおおい品種ですが、掘り上げてから植えるまでに時間がたつと根のはりが悪くなるのか、花がうまく開花しないことがあります。

カタクリの球根は下に潜っていくくせがあるので、植え替えはカタクリの位置を調整するために行います。だいたいポットの中心くらいの深さになるように植えます。ただし、潜るということはそれなりの深さに行くのが自然なことでもあるので、深鉢を使ってあまり浅くならないようにします。

大きな球根だと10cm位になることもあるので、それなりの大きさのポットが必要になります。

カタクリは丈夫で、植替えのときに折れたりしてもとくに問題ないことが多いですが、ときどき腐ってしまうことがあるので念のため植える際には消毒してからのほうが安心です。

毎年植え替えるのも大変なので、植えてから1、2年は同じポットでもいいと思います。他の植物でもそうですが、同じポットで2年めくらいになると根が定着するのかどうしてなのか、畑堀りあげ品を植えるよりしまってよくできることがよくあります。

ホワイトビューティーという品種。クリーム色で多花性。比較的作りやすい。

ホワイトビューティーという品種。クリーム色で多花性。比較的作りやすい。輸入球はカビが生えたり腐ったりと、なかなか大変なことがある。

株分

カタクリは白い鱗茎状の姿をしています。思ったよりも分球する植物ですが、この洋種品種はとくに増えがいいようです。本体の根本に小さな球根がついていたり、いくつかの小片に割れていることがよくあります。小さな球根を外しておくと、それ自体発根して葉を展開します。

翌年展開する大事な芽の部分は白い鱗茎の内側にあります。白い部分を少し折ってみると、中に芽があるのがわかると思います。この芽が残っていれば、多少外側が欠けたりしても問題ないようです。また白い欠片からも発根することがあるようで、うまくすると意図的にばらばらにして株分することもできるかもしれません。

きれいに咲かせるコツ

まず、時々売られている球根状態のカタクリを買った場合。とにかく急いで植えましょう。時間が経つごとに発根が遅くなり、水分が抜け、質が落ちていきいます。もともと湿度のある土の中で休眠しているので、乾燥に弱い植物です。できれば発根し始めるまえに植え付けましょう。丈夫なので、発根後も枯れはしないと思いますが、花付が悪くなります。

蕾がついているのに開かずに終わってしまうのも、花弁まで水分がとどいていないとか、そういうことが原因だと思います。もし、きれいに咲かなかった球根があったら、それをいじらずにそのままもう一年、肥料だけしっかりやって育ててみてください。翌年はおそらくきちんと開花するはずです。

もう一つ、うまく咲かない場合は極端な寒暖差が考えられます。カタクリはいちど低温にさらし、その後温度が高くなると休眠を脱するようです。低温で保存したり、その後いきなり暑い場所に出したりして開花時期が狂うときれいに咲きません。

普通はあまりそういうことはないと思いますが、できれば花後は半日陰の同じ場所で、温度変化が極端になりすぎないところで育ててみましょう。