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ハッカクレン(八角蓮)の種類と育て方。

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ハッカクレン(八角蓮)は傘のような大きな葉と、茎の途中にぶら下がるようにつく丸みのある花が特徴的な、メギ科の植物です。多くは中国やその周辺に自生し、アメリカにも一種が自生しています。

以前はPodophyllumという属名でくくられていましたが、現在はほとんどがDysosmaという属名に分類されています。

いろいろなタイプが流通していますが、中国産のものは詳しい産地や学名が不明です。詳しい人がみたらわかるかもしれませんが、品種なのか、個体差なのかも含め、それぞれのタイプについての詳細は残念ながら不明です。

ここでは一般に流通している名称にしたがって紹介したいと思います。

ハッカクレン

もっとも一般的に出回っているハッカクレンです。独特な姿が面白く人気があります。

葉は無地でつやがあり、大きく広がります。花はあずき色のまん丸の花で、茎の途中からいくつもの花がぶら下がるように咲きます。

八角蓮と書きますが、葉っぱは八角形というわけではなく、株の大きさで六角形だったり様々に変わります。葉ははっきりした角をもち、縁全体に細かな鋸歯があります。

葉は直径15cm以上になり、地植えなどにするとさらにおおきくなります。

股咲ハッカクレンというものもあります。しかし、これは普通のハッカクレンと同じものなのではないかと思っています。

白花ハッカクレン

ハッカクレンの白花タイプです。濃い小豆色のタイプとは対象的に、真っ白な花を咲かせます。ハッカクレンは普通のものも白花も青軸なので、花以外では区別がつきません。まざってしまうことがよくあります。

湖南ハッカクレン (Dysosma difformis ← Podopyllum difforme)

葉に独特な地模様があるやや小型のハッカクレンです。葉の形も菱形になり、ビロードのような光沢があります。アメリカやイギリスではこちらのタイプがよく出回っているようで、Chinese may apple の名前で流通しています。

葉の中心に大きく白い地模様が入りますが、無地のものもあったり模様の入り方にはかなりの個体差があります。海外では地模様などでタイプを分けているようで、美しい地模様のものは珍重されているようです。茎はドロ軸。

普通のハッカクレンに比べると遅くまで地上部が残り、ある程度の気温があると12月以降も葉が残ることがあります。

名前からすると中国の湖南省あたりに自生しているタイプだと思われますが、どうなんでしょうか。

広西ハッカクレン

こちらも湖南ハッカクレンと同様、葉に地模様が入るタイプのハッカクレンです。模様は黒の斑点状のものです。葉はでこぼこしていてあまり光沢がありません。形もゆるい

湖南ハッカクレンに比べると大型で背はより高くなります。そして茎が有毛であるというおおきな特徴があります。

花は球形ではなく、細長い花型をしています。

これも湖南ハッカクレンと同じく遅くまで葉が残るタイプです。名前からすると自生地も中国南部のようですし、極端な寒さは苦手かもしれません。

カラス葉ハッカクレン (Dysosma delavayi?)

やや小型で、葉にでこぼこしていて、黒い斑点模様がはいります。そし葉全体が茶褐色になるのが特徴です。茎はドロ軸。

以前、中国からたくさん輸入されいたもので、珍しいカラス葉のハッカクレンとして人気があったように記憶しています。しかしカラス葉にならないものもたくさんありました。はたしてこの呼び方が適切なのか、なんとも言えません。同タイプなのかどうかも不明です。

葉の形は独特で、大きくわかれた角がさらに3裂するような格好をしています。ただし、地模様、葉形ともに個体差がかなりあります。

カラス葉ハッカクレンだが、葉形がだいぶ異なる。

白花カラス葉ハッカクレン

カラス葉ハッカクレンの白花となる珍種。たまたま発見されたものだと思いますが、上記のカラス葉ハッカクレンの花色変わりなのか、違う品種なのかは不明です。

アメリカハッカクレン (Podophyllum peltatum)

アメリカ東部からカナダにかけて広く分布するハッカクレンです。Podophyllumに属するのはこの1種類のみとなり、あとはDysosmaなどに分類されることになりました。

ハッカクレンの中ではやや小型で、5月ごろに白い花を咲かせます。花は茎が二股にわかれたところにつきます。

葉は大きく切れ込み、葉脈がはっきりしています。光沢はあんまりありません。茎は有毛で、またドロ軸です。

普通は白い花ですが、まれにピンクの花をつけるタイプもあるようです。

他のハッカクレンと違い地下茎がよく伸びて節々に芽をつけ、よく増えます。

ヒマラヤハッカクレン (Sinopodophyllum hexandrum)

ヒマラヤのあたりに自生する八角蓮です。この1種のみ、分類がPodophyllumからSinopodophyllum属に変更となりました。

葉は深めの切れ込みが入り、縁は荒い鋸歯があります。葉の展開と同時に花をさかせます。

花付はよくありませんが、ピンクの美花を上向きにつけることで人気があります。しかし花色は必ずしもピンクではありません。白い個体もあります。

花後のオレンジ~赤の実もなかなか面白く、魅力的です。