前から気になっていた、「股咲ハッカクレン」というものの存在。
そもそもハッカクレン自体、どんな種類がどこに分布しているのかよく知らない中国産の植物なのですが、無地でつややかな大きな葉を持ち、葉の下部にあずき色の丸い花をつける植物を、もっとも多く流通している普通のハッカクレンと考えています。
そのほかに時々目にするのが「股咲ハッカクレン」というものです。
股咲ハッカクレンとは何なのか。
これは花の付く場所が、二股に分かれた茎の付け根であるという特徴があります。普通のハッカクレンは茎の途中に花をつけるので、その点で違いがあります。股咲ハッカクレンは台湾ハッカクレンと同じものである、という話も聞いたことがあります。
普通のハッカクレンとの違いは、花の付く場所には見当たりません。花も葉も同じようです。
しかし、生産者のところではハッカクレンも股咲ハッカクレンも区別せずに混ざって栽培されています。台湾産が股咲だとか、そういう話は本当なのか。ちょっと疑問でした。
股咲ハッカクレンを検証する。
そんなとき、あるハッカクレンのポットを発見しました。これは1ポットから3本茎が伸びていて、2つは普通、1つは股咲になっています。ひょっとすると股咲ハッカクレンと普通のハッカクレンは同じものなのでは…。そう思い、ポットから出して調べてみました。
別々の個体が1ポットに寄植になっている可能性もあり、それだとハッカクレンと股咲ハッカクレンは別物の可能性が否定できません。しかし同じ株だとすると、単にハッカクレンの花の付く位置は異なることがある、ということになります。
上の写真をみると、同じ株のようにも見えますが、まだわかりません。土を落として調べてみました。
土を全部おとしてみた結果。
検証の結果、股咲になっている茎と普通の茎は同じ株であることがわかりました。なお3本でていた茎のうち1本は、写真手前の部分で外しましたが、全部くっついていました。
結論。股咲ハッカクレンというものは存在しない。
股咲ハッカクレンという品種はおそらく存在せず、いわゆるハッカクレンと同じものであろう、ということがわかりました。花の付く位置が、茎の途中か茎の分かれ目かの違いですが、それはハッカクレンの中で定まっているものではないということがわかりました。
あとは成長度合いで花の位置が変わるのか、そんなところが気になるところですが、とりあえず気になっていた股咲ハッカクレンが幻影だったことがわかりスッキリしました。