最近は寒暖差が激しく、体調を崩しがちになります。また忙しいとストレスもたまり、さらに具合が悪くなることもあるのではないでしょうか。そういうときは、暴飲暴食、衝動買いなどでストレスを発散するのがいいですね。
そういうわけで、まえから欲しかった「渋皮栗」をついに手に入れました。
これは片山若子という人の画集で、まえから本屋さんをうろついて探していたのですがどこにも置いてありません。6年前にでて以来品切なので当たり前です。近年、本の表紙などで見かけないことはない絵なので、人気はあると思うのですが。
しかたがないので、通販で買いました。ちなみに新品は、プレミア価格でななまんえんくらいだったので、もちろん中古を買いました。定価より少し高い程度で手に入りました。
表紙です。
かなり分厚い、盛りだくさんな内容でした。主に本の表紙や挿絵が中心で、それ以外のイラストもたくさんあります。
これは早川文庫の「たったひとつの冴えたやり方」の表紙です。過去数回、表紙が変わっていますが今はこの絵のようです。
この人の絵は淡い水彩の色遣いで人気ですが、実は黒の使い方が結構大胆で、それが絵を引き締めているというのがわかりました。
そして人物の形。色の塗り方もパッチワーク的ですが、大まかな人や生き物の輪郭は単純な三角や四角を組み合わせて構成しているようです。
白黒の絵もたくさん入っています。変な生き物の絵もたくさんあり、独特です。
装丁も凝っています。まず、表紙に綴じ紐が付いている。それからこの栗のしおりも3つもついています。
ボリュームもあり、おすすめしたいところですが、残念ながら再販されておらず手に入りにくい。この人が表紙を書いている本はたくさんあると思うので、そちらを手に取ってみて下さい。
「たったひとつの冴えたやり方」は、ジェイムズ・ティプトリー・Jrの短編集で、SFです。タイトルがかっこいいので読んだのですが、予想と全然違う話でした。この人自身、興味深い経歴の持ち主ですが、書いている短編も変な、一風変わったものが多い。「たったひとつの冴えたやり方」は読みやすいです。異種遭遇譚ですが、ルグインの「闇の左手」のとは比較にならないくらい読みやすいです。
あと星新一の短編集の表紙も、いま出版されているものはこの人の絵が多く使われているようです。
ほかにも本屋さんで表紙を見ていると必ず一冊はこの人の絵が使われている気がします。