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春の山野草と錦葉珍品即売会 4/6(土)~4/7(日) 場所:上野グリーンクラブ

山野草について その2 育て方

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山野草全般について、だいたいどの植物にもあてはまる一般的なことがらを説明したいと思います。

植え替えをする

植え替えはできればした方がいいです。植え替えで元気になることが多いです。難しい高山植物でも、植替えたものは元気に育ったりします。
日本では地域によって気候が大きく異なります。当然その地域ごとに適した用土、肥料、水やりなどがあります。地元の花屋さんにならんでいる植物も全国あらゆる場所で生産されて流通したものです。九州で作られた物かもしれないし、北海道で作られた物かもしれません。当然生産地によって用土はさまざまです。そのため、買ってきた用土のままで自分が上手に育てられるとは限りません。植物の生長には日当たりと水やりが大切ですが、水やりの加減は用土によって大きく変わります。今まで通りの水やりをしていても、土によって水不足になったり、加湿になったりします。
また植え替えをすることで根の様子を知ることもできます。ボリューム満点で根も旺盛に生育していたり、逆に少し弱っていたり、やはり植え替えをすることで適切なサイズのポットに移し替えることができます。
上記のことから、まずは植え替えることをおすすめします。ただし、もともと植え替えに適さない真夏と真冬は避けましょう。

植え替え用土

どんな土がいいのかは土地や栽培環境で大きく変わりますので、どれがいいというものはありません。ただ、経験的に多くの植物に悪くない土の配合というのがあります。ホームセンターでは「○○の土」などいろいろな植物専用の土が販売されていますが、わざわざ植物ごとに土を変えるのも大変ですので、これならだいたいどれにでも使えるのではないかという配合を紹介します。
鹿沼中粒4:鹿沼小粒2:赤玉小粒2:軽石小粒2
です。ポイントは中粒と小粒を混ぜる点です。これによって水はけよく水持ちいい用土に近づきます。こまかい配合は変えてもいいと思います。市販品を使う場合、中越植物園の「山野草オリジナルブレンド用土小粒」1袋と鹿沼土中粒1袋を混ぜると丁度いいのではないかと思います。
あとは試行錯誤で自分の栽培環境に適した土を探っていくしかありません。最終的には水加減とのバランスになりますので、蒸れやすい場所なら鹿沼を多めにしたり、涼しい気候なら軽石や赤玉を多めにしたりして、そんな風にしてよくできる土を探っていってください。

植替えの仕方

植え替える場合、まず元々付いていた土をよく落とします。丁寧に水洗いするのが理想ですが、そこまでできなくてもなるべくもともとの土は落とすようにしましょう。とくに地堀り苗など、畑の土がついている株はよく洗い落とします。山採り品などもそのまま植えて枯れたという話をよく聞きます。その後殺菌剤に30分程度つけ込んでおくと腐敗や雑菌による被害が防げますが、ふつうの植え替えではそれほど神経質にならなくても大丈夫です。殺菌剤はトップジンM水和剤やベンレート水和剤などがあります。
その後、植える植物の根をよく広げ、あまりに込み入っていたり伸びすぎている場合はある程度切り詰めます。根を全部残した方がいい気がしますが、実際には多少選定した方がその後の育ちがいい植物が多いです。
そして植え付けですが、根と根の間にしっかり用土が入るよう、なるべく根を広げて竹串などで隙間にしっかり土を入れ込むようにして植えていきます。
植える鉢のサイズですが、根元が露出しない程度に深く植えて、根が鉢底にぶつからないか、鉢底で巻かないくらいが理想です。根がぐるぐるまきになる場合は根が長すぎるか、鉢が小さすぎます。植え付けて地上部がぐらぐらする場合、根と胴体のバランスが悪い可能性があります。その場合は地上部の高さを少し切り詰めた方がいいかもしれません。
植えた後はたっぷり水をやります。鉢底から流れ出る水が透明になるまでたっぷり水をやりましょう。

水やり

水やり3年。水やりは植物の管理の中でももっとも大切で、しかし難しい部分です。水やりを一言で言うと、乾いたらたっぷりやる。それに尽きます。しかし、それがなかなか難しい。
まずたっぷりやるという程度がわかっていない場合があります。たっぷりというのは、植え替え直後の水やりと同じく、鉢底から透明な水がほとばしるまでやるくらいの分量です。植物の量が少ない場合はいいのですが、たくさんある場合、鉢すべてにたっぷりやるのはなかなか大変です。必ずやり忘れが出てきます。それを防ぐために、一鉢ずつ意識して水やりをするように心がけましょう。たくさんあるとなかなか疲れますが、意識してやるとだいぶ水やりの落ちがなくなると思います。
次に乾いたらやるという場合の、乾き具合。これもなかなか難しい。乾いているのかどうかわからず、やりすぎてしまうことがよくあります。まず、基本的に土の中は乾いているのがふつうの状態だと理解しましょう。水やり直後の湿っている状態が例外なのです。常に湿っていると根も呼吸できずに根腐れを起こし、枯れてしまいます。湿っている限りは、追加で水をやる必要はありません。では理想的なタイミングはどうすればわかるのか。極端にいえば、「葉がしおれ始めてからやるのが一番」です。植物は根で水分を吸収し、葉の蒸散作用でそれが空気中に放出されます。葉がしおれてくるのは体内の水分を出し切り、かつ根が吸い上げる土中の水分が不足しているとき、つまりまさに水をほしがっているときです。そこで水をやれば、一番いいタイミングで水やりをすることができます。蒸散作用は空気中の湿度や温度にも左右されるので、数日間水をやらなくてもまったくしおれてこない日もあるかもしれません。そんなときに水をやるのは無駄であるばかりか、植物にとって害になる場合もあります。やらなすぎも困りますが、やり過ぎに注意してみましょう。

置き場所

置き場所=日の当たり具合です。どんな植物も日光はある程度必要です。ある種のランなど特殊な植物は除き、基本的な植物の年間の置き場所はだいたい同じ、以下の通りです。

  • 春=日なた
  • 夏=半日陰
  • 秋=半日陰~日なた
  • 冬=日なた

大切なのは、春によく日に当てることです。春の日光が多くの植物にとって成長のための大切な要素となります。日なたに出していた植物を日陰に移しても問題ありません。しかし、日陰にあったの植物を日なたに出すと、すでに軟弱に徒長した植物は日差しに耐えられず痛んでしまいます。まずは日なたにおくのを基本にしましょう。
その後、日差しがつよくなる5月~6月以降、一部の植物は半日陰にします。多くの植物は日なたのままでかまいません。むしろ日なたで肥料をやり育てた方がしっかりしたいい苗になることが多いです。ただし山野草には夏の直射日光が苦手なものもたくさんありますので、それらは半日陰に移したり、寒冷紗で日陰を作ってやります。ホトトギス、大文字草、シダ類、トリカブト、ショウジョウバカマなどはそうすることで葉痛みを防ぎきれいに育てることができます。
秋はあまり気を遣う必要はありません。
冬は3点気をつけます。一つは雪。雪が降る地域では、その植物が雪に押しつぶされてもかまわないか考えます。たいていの山野草は冬には地上部がなくなりますから、雪の下でも問題ありません。常緑の植物や、木本類は、おれないように注意しましょう。もう一つは、寒風。雪はないが風の強い地域では寒さで葉が痛んでしまうことがあります。これも常緑の植物は、風よけをしたり玄関先に入れるなどして寒風から守った方がきれいに育つものがあります。最後は、凍結です。北海道や標高の高い場所など寒さで地中が凍結する地域では、植えてある植物そのものが低温で枯れてしまうことがあります。鉢栽培であれば屋内に積み重ねたり、庭植の場合は落ち葉でマルチをしたりして寒さから守ります。
以上の点に気をつければだいたいうまく育てられるのではないかと思いますが、やはりたくさんの種類がある植物はそれぞれに適した育て方も様々です。あとは実践し、試行錯誤するしかありません。
今後は個別の山野草の育て方についても、知っている範囲で今後ポイントをご紹介したいなと思います。