イベントのご案内

春の山野草と錦葉珍品即売会 4/6(土)~4/7(日) 場所:上野グリーンクラブ

㈱栃の葉書房が破産。「趣味の山野草」「さつき研究」は廃刊。

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今年は新年早々大きな地震というあまりおめでたくない幕開けとなりましたが、山野草界隈ではもうひとつ衝撃的な出来事がありました。㈱栃の葉書房の倒産です。

㈱栃の葉書房は月刊誌「さつき研究」「趣味の山野草」を発行していた出版社です。昭和45年からということなので、50年以上の歴史がありましたが、コロナ禍の前に敢え無く散ってしまいました。

「さつき研究」はサツキ専門の雑誌ですが、サツキ単体のネタで毎月雑誌を発行するって結構すごいなとつねづね思っていました。それだけ園芸界でのサツキブームがすごかったということでもあるのでしょう。

「さつき研究」も「趣味の山野草」全国各地の展示会の取材記事が多くありました。各地の団体の展示会を紹介するとともに、その会に雑誌を販売することで販促にもつなげていたと思います。

「趣味の山野草」別冊として刊行されていた「園芸コレクション」が休刊になったり、部数・販売数の漸減が続いている出版業界で雑誌販売はもともと楽ではなかったところに、コロナで展示会が軒並み中止。影響は大きかっただろうと思われます。しかし、今回の破産は突然だったのでびっくりしました。従業員のかたもほとんど知らなかったようです。出勤したら鍵がかかっていて会社に入れなかったとか…

紙面でのイベント告知、宣伝の今後

困るのは催事案内がなくなってしまうことですね。山野草関係のイベントは全国でいろいろ開催されていますが、主催者側でも、お客さん側でも、「趣味の山野草」の巻末近くにあるイベント・展示会情報を利用していた人は多いはずです。

いまはSNSやホームページでの告知が当たり前になっていますが、そうしたものに馴染みがないかたもたくさんいますし、年齢層高めな山野草界ではダイレクトメールや雑誌広告で情報を得る方も多いです。そんな中で主要な宣伝媒体のひとつがなくなった影響は大きいのではと危惧しています。

それに地域ごと、月ごとのイベント情報がまとめて見られる一覧性はやっぱり雑誌の利点で、便利ですね。

他に似た系統の雑誌としては「園芸JAPAN」「趣味の園芸」があります。「趣味の園芸」は言わずとしれたNHKのテレビ番組ですが、対象が一般園芸であり、規模が大きすぎて広告や宣伝を載せるハードルが高いと思われます。

「園芸JAPAN」は古典植物に力を入れた雑誌ですが、こっちはまだ一般山野草の分野にもかぶる部分がありますし、またイベント告知コーナーもあるので、今後は「園芸JAPAN」がイベント情報や宣伝の媒体になるのでしょうか。

いずれにせよ、今後はメールやLINEでの情報発信もしていく必要があると思います。中越植物園のLINEアカウントも作成予定ですので、できた際にはぜひ登録してください。催事の案内などを通知するのに使う予定です。

雪割草カレンダーの発行

日本雪割草協会で発行している雪割草カレンダーは、栃の葉書房さんにお願いして制作していたものです。

これについては、雪割草大会の写真撮影は引き続き元栃の葉書房のスタッフにお願いする予定となっておりまして、雪割草カレンダーもこれまで通り作成する予定です。

誌上頒布

「趣味の山野草」「さつき研究」では誌上での通信販売も行っていました。中越植物園もそれに協力していました。主に「趣味の山野草」になりますが、何店舗かが参加してそれぞれ特色のある品揃えになっていたかと思います。「さつき研究」では盆栽用の鉢なども販売されていました。

いろんなお店、ジャンルの商品が一度に見られるのは購読者にとって便利だったと思いますね。ある時に送料について、商品単価に含めず別途頂戴する形にしたらいいのではと提言して、それ以降販売数も伸びていた実感があります。率直に残念です。

今後

「園芸JAPAN」もかつては「自然と野生ラン」という名前だったのが一度休刊になり、名前と発行元が変わって再出発してますし、「近代盆栽」の別冊で「山野草とミニ盆栽」という隔月刊誌があったのですがこちらも2018年に休刊。

仕切り直して復刊というのはなかなか難しいのでしょうか。

「園芸JAPAN」が古典植物やラン以外の記事を増やして、「趣味の山野草」の顧客を取り込んでいければ、山野草の情報誌としての役割を引き継ぐことができるかもしれません。