いろいろな品種
ホタルブクロはいろいろな品種が発表されています。大きくホタルブクロの種類としてもCampanula punctata、Campanula takesimanaがあり、またヤツシロソウやその他のキキョウと近縁なため交配もされています。そのため野生のものだけでなく、海外で発表されたものもいろいろあります。たくさんの種類がありますが、そのうちの一部をご紹介します。
ホタルブクロ 普通種
典型的なホタルブクロです。高さ30~50cmくらいにのびて独特な形の花をつけます。花の色は薄いピンクくらいが多く、赤っぽいものや白っぽいものまで多少の幅があります。
ほかに、ヤマホタルブクロやタケシマホタルブクロといった変種があってよく似ています。ヤマホタルブクロはガク片部や葉の形状がすこし異なっているタイプです。タケシマホタルブクロはより白っぽく、ずんぐりした花をつけるタイプで、暑さにも強く丈夫です。
しかし交配種なども多く、特定の品種が何ホタルブクロなのか判然としません。
イシダテホタルブクロ
徳島県に自生するとされる、小型のタイプです。草丈は20cm足らずで、よく増えます。いろいろな交配種に利用されたこともあるようです。
コンパクトにまとまっていて、個人的には好きなタイプです。また花色も幅があるようです。
白花イシダテホタルブクロ
イシダテホタルブクロの白花種です。花色はきれいな白で、小型でランナーをよく出す性質はイシダテホタルブクロそのものです。
桃二重ホタルブクロ
さまざまなタイプがありますが、花型はおもに一重か二重の2種類です。こちらは二重咲になるタイプ。文字通り、袋(花)が二重に重なっています。
八重咲とも読んでいましたが、正確には二重です。ホタルブクロでは二重咲という呼び方が定着してきているようです。
ホタルブクロ 富士紫
イシダテホタルブクロの交配種の一つで、小型の品種です。しかし富士山周辺で発見されたという説もありよくわかりません。富士山麓の方が作出した品種群…?
紅富士、五月晴、桃娘などいくつかありますが、どれも小型の品種です。紅富士も富士山周辺の産という話もききますが、富士紫と同じで由来はよくわかりません。
アケボノホタルブクロ (ホタルブクロ 「曙」)
いわゆるホタルブクロの中で、花色の赤味が強いタイプです。おそらく野生種からの選別だと思いますが、昔からあり由来はわかりません。
イシダテホタルブクロ 「五月晴」
イシダテホタルブクロの淡い桃色で二重咲になるタイプ。これは交配なのかどうかわかりませんが、小型でかわいらしい品種です。
ホタルブクロ 「紅衣」
これは早くからある濃赤の二重咲のホタルブクロです。かなり小型でさくものですが、由来はわかりません。
花付もよく小さくまとまって姿がいいので昔から人気の品種です。
獅子葉ホタルブクロ
ホタルブクロの中でももっとも珍奇なタイプではないでしょうか。獅子葉になるタイプです。茎もすこし曲がり、全体に乱れた姿になるところが面白い品種ですが、癖があってすこし作りにくいところがあります。
流通数も少なめなので珍しさに拍車がかかります。
青花ホタルブクロ (Campanula ‘Sarastro’ )
海外で交配されたホタルブクロ、Campanula ‘Sarastro’ 。Campanula takesimanaと他の品種の交雑から生まれた、鮮やかな濃紫色が美しいすぐれた品種です。暑さにも耐え、盛夏に群生している姿はとてもきれいです。
ホタルブクロ 白馬
ホタルブクロの純白種で、茎もうるみがない青軸。かなり背がたかくなります。これも昔からある品種で、最近はこれの二重咲もでています。
「シロウマホタルブクロ」とも呼ばれていますが、正しくはホタルブクロ「白馬(はくば)」だそうです。
ホタルブクロ 駿河
比較的最近みるようになった、黄花の二重咲タイプです。黄花といっても淡いクリーム色くらいですが、白馬のような白花とは異なった色味です。
たっぷりした花型で、うまくさかせると見惚れてしまいます。
黄金葉タケシマホタルブクロ
タケシマホタルブクロは韓国の済州島原産とされる品種です。花は白が多く、ややずんぐりとして丸みを帯びています。性質も強健で育てやすい品種です。なお写真の品種は黄金葉になる珍しいタケシマホタルブクロですが、後暗みで夏頃には色が戻ってしまうため写真の状態では特徴がわかりません。
絞り咲ヤマホタルブクロ
絞り咲のヤマホタルブクロとして流通しているものです。白地の花弁に、桃色の縦縞が入るような花色をしています。桃カスリと呼ばれているものと同じもののように見えます。
ホタルブクロ 「赤富士」
富士紫と同じシリーズのようです。富士山周辺でみつかったのか、あるいは交配種なのか…。二重咲はあまり安定していません。草丈はやや低めで咲くことが多いようです。なお低めといっても20~40cmと背丈には幅があり、育て方や環境で変わります。
絞り咲イシダテホタルブクロ
非常にはっきりとした絞り模様が特徴的なタイプです。単にイシダテホタルブクロとして流通していました。交配種などではないということなので、イシダテホタルブクロの中でたまたま見つかった花色のおもしろい個体を増殖したものなのだと思います。
ホタルブクロ 茜
濃いめのピンクのホタルブクロです。一度見ただけなので詳しい性質はよくわかりません。背丈は普通か、やや小型のようです。
純白チャボホタルブクロ
青軸白花のホタルブクロで、背丈のごく低い矮性種です。こちらはイシダテホタルブクロとの交配ではなく、実生のなかからたまたま出たものだそうです。母体はおそらく白馬でしょうか。小型の面白いタイプです。
白糸ホタルブクロ (Campanula “Beautiful Trust”)
特異な花型をした面白いホタルブクロの仲間です。非常に面白い姿をしていて、花時期には目を引きます。韓国の泰安郡というところで見つかったらしいですが、野生種なのか交配種なのかは不明です。
本種をもとに、采咲の桃花や青花などが作り出されているようです。
青糸ホタルブクロ(Campanula “Blue Octopus”)
これは海外で作出された交配種です。袋が破けたような、名前の通りタコの足のような非常に独特な花をしていて面白い品種です。こうしたタイプでは白花、桃花がすでにありましたが、それに続いて青花のものが登場しました。
イギリスで作出されたものということです。昔、オランダかベルギーの農場で初めて見て印象的でした。それと前後して日本にも導入されたようです。