5月ごろに散布している農薬の作り方、散布方法をご紹介します。これにより梅雨時期の蒸れによる植物の傷み、アブラムシなどの食害が予防が期待できます。
使う農薬
- オルトラン 1000倍
- オーソサイド 600倍
- マイリノー 5000倍
- トップドレッシング 2000倍
オルトラン:アブラムシやヨトウムシによく効き、効き目が長い
オーソサイド:定番の殺菌剤、耐性菌ができない、安価
マイリノー:展着剤
トップドレッシング:効果高く感じる。ハイポネックスでもいい。
ここでの液肥はおまけ程度のものなので、これで他の施肥が不要になるわけではありません。
用意する道具
噴霧器
お持ちの植物の量、面積に応じて適切なものを選びます。
15L入の背負式や、4L入の小型のものが便利です。当園の作場では200リットル入のタンクに溶液を作って動力噴霧機(動噴)で散布しますが、店舗部分では最近は15リットル入りの背負式噴霧器を使っています。ポンプ式で手軽です。
ここでは15Lの溶液を作る場合をご紹介します。
デジタルスケール、プラスチックの蓋付きタンブラー
デジタルのキッチンスケール。薬剤の量を量るのに便利です。普通の秤でもいいですが平らなスケールが図りやすいです。
タンブラー。スケールで薬剤を量るときの容器として利用します。また薬剤を混ぜるのにも使うので蓋付きのものがいいです。当園で使っているものは以下の商品です。
噴霧器に漏れや詰まりがないかチェック。
散布直前になって噴霧器が漏れてたり、ノズルが詰まっていたりすると悲惨なので、少しの水でちゃんと動くか試しておくといいです。
溶剤づくり
- 噴霧器のタンクに13リットルくらいの水をいれる。少し少なめにいれるのがポイント。
- タンクの水に展着剤マイリノーをいれる。5000倍なので3ミリリットルでよい。いれたらよくかき混ぜる。
- オルトラン15g、オーソサイド25gを、あらかじめ少し水をいれた蓋付き容器にいれ、蓋をしてよくシェイクする。
ここがポイント。水和剤はすごく軽くてちょっとした風や水圧で舞い散るので、先に水をいれた入れ物にそっといれる。そして溶けにくいので、そのまま蓋をしてしっかりシェイクしてよくかき混ぜておく。 - よく混ぜたオルトランとオーソサイドをタンクにいれる。タンブラーに残った薬剤も、水ですすいで残さず噴霧器にいれる。いれたらよくかき混ぜる。
- トップドレッシングを7.5ミリリットル、タンクに入れ、よくかき混ぜる。
水和剤をあらかじめ水に溶いて足していくので、タンクの水量はその分少なめに入れておきます。全部の薬品を入れ終わったら、15リットルになるように水を足して調整します。
噴霧
全体に、まんべんなく散布する。やり忘れがないよう、適当に目についた所からやるのではなく端から順番に。
できれば葉裏も意識してかける。(特にハダニ用の薬品を使う場合)
ナメクジ用の殺虫剤(マイキラーなど)を使う場合は、ポットの表面、ポットの裏も意識してかける。
まんべんなくたっぷりやるが、一度散布した場所に戻って二度やるのはやめたほうがいい。濃度が濃くなりすぎるおそれがあります。
できれば前日にたっぷり水をやった曇りの日が理想ですが、それは難しいと思うので雨がふらない日に事前に水をやっておき、植物表面の水が乾いてきたら散布します。
用量、用法を守って正しく散布しましょう。
次ページでは、さらに細かいクドい説明をする予定。