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春の山野草と錦葉珍品即売会 4/6(土)~4/7(日) 場所:上野グリーンクラブ

雪割草(ゆきわりそう)について その3 枯らさずに育てる

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雪割草を枯らさずに育てる

基本的な育て方はすでに書いたとおりですが、話を聞いているとやはりうまく育てられないとか、毎年枯らしているという人がいます。雪割草は本来丈夫な植物です。葉っぱがなくても芽だけで生きていますし、高山植物のように暑さに弱い訳でもありません。それでも枯れるというのは、栽培の上でなにかを根本的に間違っている可能性があります。そこで、どうしても枯れてしまう人のために、ポイントを絞って枯らさないための雪割草の育て方を解説します。

ポイント1 遮光!

さんざん言われていることですが雪割草を栽培する上でのポイントは、夏場の遮光です。秋までに葉っぱがなくなるというひとは、遮光が甘い可能性を考えましょう。他の山野草と同程度の遮光でいいと考えている場合は、遮光率が足りません。半日陰、日中陽が当たらない場所、という程度では甘いです。

雪割草は90%の遮光が必要です。90%の日陰というと、目が慣れないと暗くて新聞が読めない程度の暗さです。自生地では他の草木が茂った下、落ち葉の下という真っ暗な環境で生育しています。つまり、直射日光が一切なくても問題ないと言うことです。

明るくてもいいのですが、直射日光を避けてください。日が強すぎると、夏の間は元気に見えても秋口から葉が痛んできます。 寒冷紗をすでに使っている場合は寒冷紗を二重にしてください。70~80%遮光のものを二重にかければほぼ日差しは防げます。また、西日にも注意してください。天上の日よけをしてあっても、棚の脇が無防備になっていることがあります。ダイオフララ(細切りにした寒冷紗のようなもの)やスダレなどを使い、脇から差す光も防ぐようにしてください。 このように陽を防ぐことで、直射日光による葉やけは防げるはずです。

ポイント2 肥料!

夏を過ぎるころから葉先が黒く痛んできた、根っこがとけて芽が抜けた・・・。これも雪割草がだめになるよくあるパターンです。とくに、きちんと植替えたのにだめになってしまう場合。病気などを疑う前に、まず肥料をやりすぎていないか確認してください。植替えなくても数年耐えられるような丈夫な植物です。きちんと植替えて水やりも普通にやっているのに、夏すぎからだめになってしまうという場合、置き肥のほかに元肥を入れすぎていませんか?土に混ぜ込むタイプの元肥は、高温になる夏には成分流出量が増える可能性があります。そのためたくさん入れた場合、夏にそれが一気に溶け出して根を痛めることがあるのです。水のやり方にむらがある場合特にそうなりやすい。 肥料が隠れて見えないため、意外とこれに気がつかずに失敗を繰り返している可能性があります。他の常緑植物の話ですが、7月ごろから急に葉が痛んできて根も黒ずんで腐ってしまったものがあり、おかしいなと思って鉢を開けてみたら元肥がごってり入っていたことがありました。

肥料のやりすぎはやらないのと同じくらいよくありません。マグアンプKなどは非常に便利な肥料ですが、他の置き肥のサポートとして使い始めたほうが無難です。マグアンプKの大粒の場合、7.5cmポットで1粒、9cmポットで2粒くらいから初めて、様子を見て徐々に量を調整してください。

ポイント3物理的に腐らせない!

病気、ばい菌がつかないよう、基本的な管理を怠らないようにしましょう。まず、花が終わったら花茎を根本から取り去りましょう。咲ききらない蕾が芽もとに残っていた場合、これも取り除きます。散った花びらが株元に落ちていた場合、吹き飛ばしましょう。ハウス内や室内においた場合、このようにしないとカビが生えて腐ってしまうことがよくあります。逆に花柄除去をまじめにやれば殺菌剤など特にまかなくても腐る可能性はだいぶ減ります。